3度目のSG完全優勝を達成した鈴木圭一郎選手

前人未到の記録を作った鈴木圭一郎選手

鈴木圭一郎選手は、2023年2月26日に開催された全日本選抜オートレース・SGの最終日12Rの優勝戦で勝利した。
負け知らずの初日からの5連勝を遂げ、これでこの大会は5回目の優勝だ。
SGの優勝は通算13回目だが、SG完全優勝は前人未到の3度目という快挙を達成したことになる。

これまで鈴木圭一郎選手は、2016年の全日本選手権と2018年の全日本選抜でもSG完全優勝を果たしている。
1975年の勝ち上がり制度が採用されて以降、これまで島田信広、高橋貢、青山周平という3選手が2度のSG完全優勝を達成していたが、鈴木圭一郎選手はこうした歴代の大物選手と並んでいたわけだ。
それが、今回の完全優勝によってSG完全優勝回数で歴代単独1位となった。

小学生からポケバイを始めた鈴木圭一郎選手の経歴

鈴木圭一郎選手がオートバイに興味を持ったのはまだ幼いころで、小学2年からポケバイを始めている。
父親がバイク好きだったこともあり、その影響でポケバイに触れるようになったとのことだ。
その後、しばらくして青木治親選手と知り合うことになる。
青木選手の名前を冠した「ハルチカ杯」というポケバイのレースがあり、それに参加した鈴木圭一郎選手は直接青木選手からいろいろな話を聞くことができたのだった。

そのなかでオートレースについても興味深い話を聞く。
オートレースの選手は全部整備も自分でやること、スポンサーがないことなどを聞き、このままずっとバイクに乗り続けるならオートレースしかないと子ども心に思ったという。

その結果、鈴木圭一郎選手は小学4年生にしてオートレーサーを目指すことになる。
学校から帰ったらポケバイの整備、休日はポケバイのレースという忙しい日々を送ることになったのだ。
その努力が実り、2006年1月にSG第1回ポケバイレースで総合優勝を果たすと、同年12月、6年生のときにDAIJIRO-CUPオープンクラスでもチャンピオンに輝いたのだ。
中学に進学後、ミニバイクを始めると2年連続で首席となりMFJアカデミーを卒業、中学3年生のときには日本代表チームに選ばれ、アジア国別対抗ロードレースで総合2位の成績を収めた。

2012年にオートレースの選手養成所に入所、翌年卒業すると船橋オートレース場に配属される。
デビュー戦は船橋オートレース場での「鈴木圭一郎デビュー戦」で、見事勝利を収めた。
2016年にはSG完全優勝を果たしたことはすでに述べたが、これはデビュー最短、史上最年少というおまけつきだった。

2020年に1期後輩の吉川麻季選手と結婚した。
吉川選手からは「結婚後もこれまでと変わらず、部品代を惜しまず使うなら」という条件があったそうだ。
このように、鈴木圭一郎選手は20代の若さでオートレース界をリードしている。